ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
土用の丑の日や体力をつけたい時に食べるウナギは、日本人にとって身近な食べ物ですが、生物としてのウナギの生態は解明されていないことが多く、謎が多い生物です。しかし、近年の研究によってウナギがどこで産卵し、どのように成長していくのかが徐々に明らかになってきました。そこでまずは絵本『うなぎのうーちゃん だいぼうけん』で、ウナギがどんな生き物であるのか知ってみましょう。ウナギの研究をした作者が、子どもたちにもわかりやすいように誕生から一生を終えるまで、うーちゃんを主人公に描いています。日本からはるか遠い南の海で生まれたうーちゃんがどうして日本の川へやってくるのか、どうやって川で過ごして成長していくのか、生まれた海へ戻るまで長い年月をかけた大冒険がわかりやすく楽しめます。うーちゃんが再び海へ戻る時に、川へ上る時とは違って、周囲の自然環境が悪い方向へ変わっている場面がありますが、私達人間が自然の生態系を変化させていることに「ドキッ」とさせられます。
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それは「名誉の殺人」と呼ばれる。女性の婚前の性交渉は家族の名誉を汚したとされ、娘を抹殺することで一族の男たちは汚名をそそぐ。1970年代の後半、中東シスヨルダンの小さな村で17歳の少女スアドは生きながら家族によって火あぶりにされました。恋をして妊娠したから・・・。婚前交渉は家族の恥だから。『生きながら火に焼かれて』は家族の名誉のために火あぶりにされながら、奇跡的に生き延びた著者が告発する衝撃のノンフィクションです。このような事件(因習)はスアドだけに起こったことではなく、中東およびヨーロッパの各地で犠牲となっている女性の数はスイスの保護団体が出している推定数だけでも年間6,000人なのだとか(訳者あとがきより)。
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食を探求し続けてきた料理研究家・辰巳芳子と福岡伸一、川嶋みどり、細谷亮太、竹内修一の4人の識者が『食といのち』をめぐり、考察を深める対談集。「食べることが生きる基本であり、食べることをないがしろにしてはちゃんとした人生はあり得ない」と、言いきる辰巳さん。日本の気候風土によって育まれた食文化には、それなりの意味があるといいます。食をおろそかにし、旬のものを美味しく食べることを忘れかけてしまっている今、「食べることはどういうことか」自戒の念を込めて、見つめなおしてみようと思いました。冒頭には、辰巳さんのいのちを養う四季のお粥とスープのレシピが掲載されています。
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