ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
週刊新潮に連載していた「世間漫録」というコラムをまとめた『漫録おやじ日本を叱る』。少年は凶悪化し、大事故が頻発し、歴史教育は歪み、政治家の言葉は鴻毛ほどに軽くなった日本。この「総崩れ」現象の裏側で、一体、何が起きているのか。「四月二十八日は何の日」「『ガングロ少女』と親の顔」「少年法守って国滅ぶ」「鳩山由紀夫氏の言語能力」「WTO理念の終わりの始まり」など、硬軟問わず、縦横無尽に時代の根源を抉る痛烈コラム。親父は怒ってます。“だめっ!”。
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「野蛮人」とは自分のアタマで考るのをやめ、「順応の気構え」を持つ人のことを指すそうです。複雑な現代社会で起きていることを正確に理解するためには、さまざまな知識が必要で、しかしながら、1人の人間の能力や経験には限界がある。この限界を超えるには、他人の知識や経験を自分のものとして取り込むことが重要で、その最も効果的な方法が読書だと述べています。『野蛮人の図書室』は、読書によって野蛮人を脱し、教養人になるための本を紹介したブックガイド。「人生を豊かにする書棚」など全4章からなり、とりわけ、第二章「日本という国が分かる書棚」、第三章「世界情勢がわかる書棚」は、原文を引用した解説文が分かりやすく、世界の出来事を知りたくなります。
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92歳から詩作を始めたトヨさんが、一人息子の勧めで書きためた詩を自費出版、その後内容を追加し、再出版したのが『くじけないで』。この本は、みずみずしい感性と優しさ・力強さが、短い言葉の中にさらりと表現されています。あとがきの前の「朝はかならずやってくる」―私の軌跡 (P98~)を読んだあと、トヨさんの心の奥底…息子さんへの思いが、より一層胸に迫り、ググ~っと熱いものがこみあげてきます。私もすぐ、高齢の母にパワー注入のため読んでもらいましたが、今は認知症が進み、二作目の「百歳」も、2013年に101歳で亡くなられたことも伝えていません…。
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