ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
あっかんべえをした一つ目小僧が表紙の『大接近!妖怪図鑑』一度見たら、目に焼き付いてしまうほどインパクトのある本です。「大接近」というだけあって、妖怪が近いんです。見開き1ページに展開される妖怪のどアップ。迫力満点です。有名な妖怪から珍しい妖怪まで、全部で22の妖怪が紹介されています。あまりの迫力に怖いと思うかもしれませんが、ぜひ解説をお読みください。この解説が実に面白いのです。「ぬらりひょん」の得意なことは、「お茶をのんでくつろぐ」ことだったり、「化け草履」の苦手なことは、「はきものを粗末にされること」だったりと、妖怪たちの知られざる顔(?)を知ることのできる一冊です。親子で、一人で、暑い夏の夜に開いてみてはいかがでしょうか?
- 詳細
- 作成者:MCL編集部
まずは夏休みの宿題を片付けねば!タケシたち6人は、お金をもらってかわりに宿題をやってあげる『宿題ひきうけ株式会社』を作って、みんなの悩みを解決しようとします。でも、やがてみんなは考え出します。何のために勉強するのか…。「ニンジンがきらいだとしても食べなければならぬ。でも、もし宿題がきらいだとしたら考えなければならぬ。なぜこの世に宿題があるのかを。ニンジンと宿題はどうちがうか。」
- 詳細
- 作成者:MCL編集部
7月19日から開催される「札幌国際芸術祭2014」では、アートに関する多様なプログラムに参加できたり、アーティストの作品を見ることができます。なかでも、室蘭市出身の写真家・掛川源一郎のトーク&レクチャーは興味深いものがあります。ドキュメンタリー写真の世界で活躍した写真家・長野重一の『この国の記憶』は、東京都写真美術館で2000年に開催された展覧会の作品を収めた写真集。主に昭和20~40年代の日本の姿が映し出され、北海道では入植のために土地を開墾しているとき、その頃の東京では高速道路が建設されていることに、これまでの時代の流れを垣間見たような気がします。
- 詳細
- 作成者:MCL編集部