2024年 (令和6年)
5月9日(木)
午前10:00から
午後 6:00まで
ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
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桜といえば花見という言葉がすぐに返ってきそうなほど、日本ではなじみの深い花見。『花見と桜』は、「桜」ではなく「花見」に注目し、日本文化について面白い花見論を展開している。筆者によると、「群桜」「飲食」「群集」の3つの要素がそろって、初めて花見が成立するという。また、この3要素がそろった花見は、世界に類のない民衆文化だというから、興味深い。室町時代に編まれた閑吟集は、花の宴で好まれる余興の歌と考えられるものが多数あるのだそう。現代のカラオケのデュエットさながらの中世の花見の様子を想像すると、なんだか楽しい。
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- 作成者:MCL編集部