ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
朝の連続テレビ小説「マッサン」。ご覧になっていますか?「マッサン」のモデルは、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝と妻のリタ。北海道の余市町をはじめ、道内様々なところがロケ地となっていることもあり、今後さらに盛り上がりそうですね。二人に関する本もたくさん出版されています。その中で、今回私が選んだのは『望郷』。この小説は、奥さまであるリタの物語です。冒頭では、病弱で家で過ごしがちだった少女時代、戦争で亡くしたフィアンセのことなどが、詳しく描かれています。そして、スコットランド留学中の竹鶴と出会ったリタは、周囲の反対を押し切って結婚し、日本へ―。言うまでもなく、当時の国際結婚は例のないことで、大変な苦労が待ち受けていました。竹鶴が、夢に向かって懸命な努力をする一方で、リタもまた日本の食事や、文化を理解しようと奮闘します。差別や偏見に苦しみ、辛い場面もたくさん出てきますが、苦しみながらも夫を支え続けたリタの波乱万丈な人生に、色々なことを考えさせられます。
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CGでのバーチャルキャラクターと、子ども向けとは思えないセンスあるコーナーで人気を博した「ウゴウゴルーガ」。その第2期のオープニング曲だったピチカート・ファイブの「東京は夜の七時」は、キャッチ―かつおしゃれ感が満載で、異世界の空間に飛び込んでしまった気分になったのを覚えています。その曲を手がけた小西康陽の『僕は散歩と雑学が好きだった。』は、レコード、音楽、映画から旅行、日々のことなどを綴ったヴァラエティブック。なかでも、「小西康陽が小西康陽になるために読んだ100冊の本」というコーナーでは、寺山修司、和田誠、池波正太郎や高橋睦郎など、幅広いジャンルの本が紹介されています。ピチカート・ファイブは、鈴木梅花の「仮縫い」という小説から見出された美しさを目指していたのだとか。小説が音楽活動のコンセプトになるだなんて、何とも素敵なアーティストです。
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道産子にとっては当たり前でも、道外の人からは変わった風習だと思われたりすることは多々あります。方言でいえば、ゴミは投げるではなく、捨てるものであるということを、自分も高校卒業後に知りました。それでは、道産子が気付いていない北海道のことを知ろう!そのためには北海道の歴史を学ぼうということで3冊を選んでみました。
まずは、『北海道はじめて物語 北の大地の発祥と起源なんだわ!!』。巻頭の一部に「一軒屋に住んでいる人の家には、必ずといっていいほど、木彫りのクマの置物があった。」。確かに自分の家の玄関にも置いてありました、約30㎝もある真っ黒なヒグマの置物が・・・。この木彫りクマの発案者は、尾張徳川家第19代当主の徳川義親。スイスで購入したものを参考に、農場で働く人々やアイヌの人たちに収入源のない冬場の副業として勧めたのがきっかけだったそう。そのほか、建築物やグルメなど北海道を代表する物事の始まりを勉強してみましょう。
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