ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
2015年はひつじ年。新年になってからはテレビも新聞も羊の話題が満載ですね。ところで羊って、最近見たことが無いけどどんな動物だったかな?思った時に手に取っていただきたいのが『ほんとのおおきさ・なかよし動物園』です。まずは表紙にドドンと上野動物園のデイジーちゃんの顔がほんとの大きさのアップで載っています。ヘー!羊って意外と大きかったのねと思うでしょうか?それとも反対?羊って上の前歯が無いなどの動物豆知識も楽しい1冊です。くりくり目玉の可愛いアルパカやラマなどなかなか触らせてはもらえない動物たちの大きさも分かるこの本はシリーズをとおして子どもたちに大人気ですが大人の方もぜひ楽しんでください。
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初詣に行くと必ず通る「鳥居」。神社の参道の入り口に立てて神域を示す門という存在でしかないと思われるそれは、その歴史を辿ると古の日本の姿をも見ることができます。古今東西の膨大な資料から鳥居について探った『鳥居』は、西洋近代美術史を専門として教鞭をふるう著者ならではの視点がおもしろいです。鳥居は本来、聖俗を瞬時にして分かち、つなぐ機能を持つ「祭場の標識」であり、しだいにその機能が薄れて「門」としての存在だけが強調されていったのだとか。あとがきで、古くなったというだけで安易に建て替えられ貴重な作例がなくなることを嘆かれていますが、鳥居の背景にある歴史も失われてしまうのかもしれません。
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新年あけましておめでとうございます。皆様、神社への初詣には行かれましたか?日本には八百万の神が存在するとされていますが、今回の三冊堂ではそんな神々が登場する小説をご紹介いたします。
表紙のデザインが目を引く短編集『浄土』。こちらに収録されている一編「一言主の神」という作品にタイトル通り「一言主」が登場します。一言主はご存知の方も多いでしょうか。お気づきの方もいるかと思いますが、こちらの作品は「古事記」に町田康アレンジを加えてものとなっております。この作品をお読みになる際にはもとになった古事記もご一緒にどうぞ。きっと楽しさ倍増!図書館には色々な訳のモノがございますよ。
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