2024年 (令和6年)
11月25日(月)
午前10:00から
午後 6:00まで
ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
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今回読んだあとに心に「ずしり」とくる3冊を紹介します。階級社会によって生じる身分差別を描いた『セブンスタワー』。黒いベイルに覆われた闇の世界にそびえる七つの塔。そこは七つの階級に分かれた厳格な階級社会。その中に住む選民タル。そして、塔の外の世界で生きる氷民ミラ。選民と言われる身分に生まれ、快適だが、窮屈な社会で暮らしてきた少年タルと塔の外の過酷な環境で生き、自由な社会で暮らしてきた少女ミラ。塔の外で出会った2人はお互いの価値観の違いからよく衝突します。しかし、共通の目的のため、嫌々、協力しあうことになりました。選民と氷民はどちらが幸せだったのか?
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- 作成者:MCL編集部