2024年 (令和6年)
5月21日(火)
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 今回読んだあとに心に「ずしり」とくる3冊を紹介します。階級社会によって生じる身分差別を描いた『セブンスタワー』。黒いベイルに覆われた闇の世界にそびえる七つの塔。そこは七つの階級に分かれた厳格な階級社会。その中に住む選民タル。そして、塔の外の世界で生きる氷民ミラ。選民と言われる身分に生まれ、快適だが、窮屈な社会で暮らしてきた少年タルと塔の外の過酷な環境で生き、自由な社会で暮らしてきた少女ミラ。塔の外で出会った2人はお互いの価値観の違いからよく衝突します。しかし、共通の目的のため、嫌々、協力しあうことになりました。選民と氷民はどちらが幸せだったのか?

 国の内戦によっておこった人間ドラマを丁寧に描いた『獣の奏者』。リョザ神王国では、真王(ヨジェ)が治める真王領と真王に仕える大公(アルハン)が治める大公領があった。いままでの様々な軋轢のため、ついに内戦となってしまった真王領と大公領。その内戦の中心となったのは、真王の象徴である獣、王獣を唯一操ることができる平民の少女エリンでした。権力争いから始まった内戦は、どんな結末を迎えるのでしょう?
 民族紛争の悲惨さを描いた『アナトゥール星伝 12巻 緋色の聖戦士(シエルザート)』。世界を平和にするため、エスファハン国のシュラ王と婚約者ユナは、国内紛争が絶えない国ノルーランへと紛争調停へと向かった。そこは独立を願うオシュレム人とそれを阻止するラヴァール人との数百年にもおよぶ、根強い確執があった。民族の誇りとは何か?そのために血を流すことは正義なのか?全20巻のシリーズです。その中には、戦争や奴隷制などを扱った巻もあります。 MCL編集部 (実)

三冊堂181号 (2015/03/05)