2024年 (令和6年)
11月22日(金)
午前10:00から
午後 6:00まで
ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
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七人の息子を持つ母親が、子供たちが兵隊にとられていくたび、裏の空き地に一本ずつキリの木を植えていきました。それぞれに息子の名前「一郎」「二郎」…と名づけ、息子を世話するように毎日声をかけて世話をしていた『おかあさんの木』。戦地に行くことを栄誉に思っていた。「お国のためにがんばれ」と声をかけていた。まるで暗示にかかったみたいに「お国のために」という言葉を。一人、二人と子どもたちの戦死が告げられると、木に対する母親の言葉は変わっていく。名誉の戦死なんてしてほしくない。本当の素直な気持ちは、生きて自分のところに帰ってきてほしいということ。「日本じゅうの、とうさんやかあさんがよわかったんじゃ。みんなして、むすこをへいたいにはやられん、せんそうはいやだと、いっしょけんめいいうておったら、こうはならんかったでなあ。」
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- 作成者:MCL編集部