ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
「銀の雫降る降るまわりに、金の雫降る降るまわりに」という美しいフレーズは、『アイヌ神謡集』の冒頭に掲載されている「梟の神の自ら歌った謡“銀の雫降る降るまわりに”」の最初の部分です。詩才を惜しまれながらわずか19才で世を去った知里幸恵。アイヌの少女が、アイヌ民族のあいだで口伝えに謡い継がれてきたユーカラの中から神謡13篇を選び、ローマ字で音を起し、それに平易で洗練された日本語訳を付けました。神謡(神のユーカラ)とは神々が主人公となって自分の体験を語るという形式をとる比較的短編の物語だそうです。神謡の世界では、谷地の魔神も海の神も沼貝さえも自ら歌います。
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無職宿ナシの亀谷幸慈は、ある日、ギャルにカツアゲされていた青年を助け出す。青年はどうやら記憶喪失で、「自分は元・天使で、さっきのギャルは悪魔」であると話す。関わらずに去ろうとしたが、やむにやまれぬ事件が起き、行動をともにすることになる。翌日二人は、池袋の街角で園部シメ子と名乗る女性に声をかけられ、成りゆきで彼女の家『猫の森』を訪れる。そこには坊主頭の大男マロ、ぽっちゃり眼鏡のオク、色白イケメンのミチヤが同居しており、6人による不思議な共同生活が始まる『今日からは、愛のひと』。人を愛する、誰かのために自分には何ができるのか、ということが、とても尊いことだと思わせる一冊です。
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