ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
本のタイトルが長いものがある一方で、一文字だけのものもあります。そんな中でも、ひらがな一文字の本は数が少ないそうです。ひらがな一文字のタイトルからは内容が想像しにくいですが『あ』は、小さな針金の人が色々な物に出会うおはなしです。出会いの喜びを写真で描かれており、内容も文ではなくほとんどひらがな一文字で話しが進んでいきます。ですが、不思議と小さな針金の人の感情が伝わってくる絵本です。
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- 作成者:MCL編集部
日々成長し、体も心もあっという間に大きくなる子どもたちを見て、大人の私たちは「大きくなったね」と声をかけたくなってしまいます。だけど当の子どもたちにとって「大きくなる」とは一体どういうことなのでしょう。着ていた服が小さくなる。大人の歯が生えてくる。確かにそれも大きくなった証だけど……元保育士として多くの子どもたちを見届けてきた中川ひろたかさんの『おおきくなるっていうことは』。大きくなる、大人になるってどういうことなのでしょう。大人になっても正解がわからない永遠のテーマですが、後半で園長先生が語る「おおきくなること」は「なるほど…!」とストンと落ちてきました。
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