ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
絵本作家のやなせたかしさんがアンパンマンを世に送り出したのは、50歳を過ぎてからのことでした。94年の生涯で数えきれないほどの作品を残したやなせさんの著書から、今回はアンパンマン以外の絵本を紹介します。
ある国の動物園に心の優しい臆病なライオンがいました。いつも震えているので、名前はブルブル。そんなブルブルを母親の代わりに育てたのは、ムクムクというメスの犬でした。ライオンと犬。2頭は本物の親子以上の強い絆で結ばれますが、ブルブルはサーカス団に引き取られ……種族を超えた親子の絆に心温まると同時に、人間の身勝手さを痛感する『やさしいライオン』。やなせさんの初期の名作です。
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『どんめくり』は、ページの真ん中で上下に分かれていて、上下それぞれをめくることができるしかけ絵本です。絵柄の組み合わせを上下でかえることができるので、思わぬ組み合わせも楽しむことができます。前半は食べ物のページから始まり、かつ丼→かつそば→かつおにぎり…というように組み合わせが変化していきます。カレーアイス、かつアイス、フルーツラーメン、てんぷらパフェ、てんぷらケーキなどの驚く組み合わせも、ぜひ楽しんでください。
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