ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
どんな文章であっても、何かを書くとき、知らず知らずのうちに、いつもそのつながりを求めている。散らばった記憶の断片。消えてしまった記憶の痕跡。かつてそこにあり、今や失われてしまった何かを紡ぎ合わせるために書かれたエッセイ集『生命と記憶のパラドクス』。「記憶」という書店のオークションで落札した、1960年に刊行された「エスエフ世界の名作」シリーズ。送られたきたそれは、本の装丁や挿絵など何から何まで昔のまま。今と昔の自分は、物質的に全く別人になってしまっている。が、かろうじて今と昔をつないでいるこの儚い記憶だけが自己同一性のよりどころで、1ページずつ記憶を確認するその作業は、年を取ることのささやかな喜びなのだとか。
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5月は爽やかなイメージがありますが「5月病」という、厄介な病が起きる季節でもあります。イメージカラーに青をあげる人もおられますが、英語でブルーとは憂鬱の意味にも。というわけで・・・。
世田谷にあるプロテスタント系私立女子高校。そこで繰り広げられる、女の子同士の一見仲良さそうで、実は非常に複雑な関係が招いたトラブルを4人の主人公、4つの短編で織りなした『終点のあの子』。少女たちの揺れ動く思春期の心理を書き綴った物語。
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今まで家族に任せっきりだった庭の手入れと家庭菜園。出勤時には色とりどりの花たちが心を和ませてくれ、勤めから帰ると採りたての野菜が迎えてくれていました。しかしこの1~2年で環境が一変、きれいな庭も奥の畑も1メートル以上伸びきった雑草でうっそうとなってしまい・・・近所の叔母に全てお任せ状態で甘えていました。 今年こそは、まず庭の手入れに挑戦!書名そのもの『四季折々に楽しめる 小さな庭づくり』からはじめることに。残念ながら我が家の庭は、春から初夏までは次々と花が咲き楽しませてくれるのですが、それ以降に咲く花がなく寂しい庭でした。本書は、いろんな草花や樹木を選んで組み合わせ、小さな庭をオールシーズン楽しむ方法をたくさん紹介。特に優しい色づかいの草花が多く、多彩な緑が楽しめるのもお気に入りです。
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