ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
パンのこね台をつくる職人のおじいちゃんが主人公の『もりはいいところ おじいちゃんのパンこね台』。お客さんに頼まれた大きくて重たいパンこね台が完成し届けに行こうとするおじいちゃん。途中くたびれてひと眠り。すると森から動物たちが顔を出します。集まった動物たちは食事を持ち寄りピクニック気分ですが…。
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大企業のオーナーの家に、後妻の連れ子として入った主人公・敏也。彼は、血のつながりがないことで、疎外感を持ち続けていた。養父の溺愛する義兄が急逝し、義兄に内縁の妻と幼い娘がいることを知った敏也は、極秘のうちに義兄の忘れ形見である娘を引き取る。『空色の小鳥』の根底にあるテーマは、重く感じられる。しかし、物語が重たくならなかったのは、敏也の周りの協力者たち(彼女とオネエの親友)が明るくサポートしてくれたことによる。この奇妙な関係の者たちとの共同生活が、血のつながりにこだわり続けた敏也の心をほぐしていく。
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