ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
3月26日、北海道新幹線が開業。北海道と本州の新しいつながりの幕が開きます。北海道新幹線用車両「H5系」の列車名は「はやぶさ」と「はやて」。列車の名前や愛称で、しりとり遊びができる写真絵本『でんしゃのしりとり』。はじまりの『は』が「はやぶさ」。最後の「ん」でおわる「ろくもん」まで、84台の列車が大きな写真と解説付きで登場します。列車の名前を通じてことばの世界を広げながら、遊び感覚で、ひらがなに親しむことができます。
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何かとお別れの話題が多くなる季節。寂しくて痛々しい、忘れられない「出会いと別れ」が描かれた小説を紹介します。
直木賞受賞作家でもある桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない』 当初中高生向けのライトノベルとして発表されたこの小説は、冒頭で物語の結末である「主人公の親友の死」が示唆される衝撃的な始まり方をします。主人公である「なぎさ」の回想という形で親友「藻屑」との出会いまで遡り、決して覆ることのない残酷な結末に向かって進んでいく…。「最後はこうなってしまう」とわかっていても読み進める内にそうならないでほしいと願ってしまうのは、彼女たちがあまりにも無力な「子供」だからなのかもしれません。
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実の親が特別な事情で育てられない6歳未満の子どもを養親が引き取り、法的にも実の親子関係が成立する「特別養子縁組制度」が日本で導入されたのは1987(昭和62)年(施行は1988(昭和63)年)です。この制度の、子どもと、子どもを育てたい夫婦を結びつけるボランティアで、産婦人科医である著者が、17年続けてきた活動の中で出会った絆のかたちの物語が『その子をください。』です。まだ高校生だったり、結婚詐欺にあったり、既婚者であっても経済的に苦しいなどの理由で養子に出すことを望む生みの親。「本当の親子なんだけど、血がつながっていないだけなんです」「血のつながりはなくても愛し合うことを決めたら家族です。」と語る育ての親たち。著者たちの尽力によって家族となった方々の姿に胸が熱くなります。
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