ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
太平洋に浮かぶ美しい島ミクロ・タタに棲む、つぶらな黒い目の愛くるしい両生類“ウアブ”は、人々に豊かな淡水を供給している貴重な泉の水質を保ってくれています。子どものころから、“ウアブ”に魅入られていたジョージたちが、開発によって泉に住めなくなった“ウアブ”を、隣の島に移したところ、夥しい数の死体となってしまいました。同じ頃、父や同僚たちが真っ黒で俊敏なトカゲのようなものに襲われ、ショック状態に陥ります。口中に細菌を持っているのです。広がり続ける被害。何がおきようとしているのか…?『龍と流木』は、ざわざわと読者の心を揺さぶる生物パニックミステリーです。
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8月20日(日)から9月7日(水)まで、幕別町百年記念ホール、幕別町図書館において、まぶさLED(まくべつBOOKサポーター/図書館エディター)によるハンセン病のパネルと本の展示、『知ってる? ハンセン病のこと』を開催します。
教師という仕事を持ち、プライベートでは妻と子供2人に恵まれ順境であった明石海人がハンセン病を発症したのは、25歳のとき。家の支援を受けながらありとあらゆる治療を求めましたが、病勢の悪化で両目の視力を失い、37歳でその生涯を閉じました。さまざまなハンセン病に関わる資料で目にするのが、家族の死に目に会えない、葬儀に参加できないつらさ。明石海人の歌の中にも、いくつかその悲しみを詠んだものがあります。‐‐世の常の父子なりせばこころゆく歎きはあらむかかる際にも‐‐ 「新万葉集」にとられた、次女の死を葬儀が終わってから知らされたことを詠んだ歌。つらいの一言では済まされない感情が渦巻きます。『明石海人歌集』。
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小さな岬の先端にある喫茶店。その喫茶店に引き寄せられるように集まる心に傷を抱えた人々。店を一人で営むおばあさんは、とびきりおいしいコーヒーと人生にそっと寄り添うような音楽を選曲してくれて、人々の心がやわらかさを取り戻していく。“生きる”ということに勇気を持たせてくれる『虹の岬の喫茶店』、本日も開店です。
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