ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
暑かった8月も終わり、暦の上でももう秋です。今回は、歴代直木賞作家による「読書の秋」と「食欲の秋」を一度に楽しめるエッセイ集三冊を紹介します。
まずは、「少年と犬」で今年の第163回直木賞を受賞した馳星周さんの『喰人魂』です。馳さんは、大のサッカー好きでも知られ、本場のサッカーを生で楽しむために頻繁にヨーロッパに出かけますが、イングランドとドイツは「美味しいものが無いから」と敬遠気味です。逆に、イタリアのサッカーは守備的で好きではないのですが、「飯が旨いから」と何度も足を運ぶほど食に対するこだわりが強い方です。(サッカーも料理も美味しく至福なのはスペインだそう。)高級グルメから、道産子ならではのジンギスカンのタレまで、さまざまなエピソードから馳さんのエネルギッシュな人柄が伝わってきます。
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旅することが容易に叶わない昨今、薄っすらとではありますが、本を開くことで旅する気分を味わうことができます。アメリカ金融業の歴史を作った実業家で、桁外れの稀覯本(きこうぼん)と美術品を収集したコレクターとしても知られる、ジョン・ピアモント・モーガンが建てたモーガン図書館&美術館は、写真でも分かるほど重厚で多角的な側面からの歴史を感じます。ルノワールとセザンヌだけでも250点を収蔵するバーンズ財団など、個人の邸宅を美術館として公開する15の「邸宅美術館」を紹介する『邸宅美術館の誘惑』。それぞれの館のまばゆいコレクションに魅せられます。
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おうし座、しし座、うお座…。『星座と神話のキャラクター図鑑』では、12個ある誕生星座を含めた、30の星座がかわいらしいキャラクターとなって登場します。いつ、どのあたりの空に星座が浮かんでいるのか、どんな星を結んで形づくられているのかを、関連するギリシャ神話やその登場人物と併せてたっぷりと解説している星空入門図鑑です。
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