ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
ブラックホール研究の進展に貢献したことで2020年ノーベル物理学賞を受賞した、ロジャー・ペンローズ氏。ペンローズ氏は、不可能立体「ペンローズの三角形」や「ペンローズの階段」を考案し、だまし絵で有名なエッシャーの「滝」などに影響を与えたそうです。あがってもあがっても下へいく階段。どうやってもさかさまで歩いてしまう道。流れている方向が分からなくなる水。不思議な絵に、本をアレコレと動かしてしまう『ふしぎなえ』は、不可能立体の世界を楽しめます。
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『不滅の昭和歌謡』は、元レコード大賞審査員である著者が百の名曲誕生のドラマとエピソードを語った一冊です。ヒット曲に恵まれなかった石川さゆりのために書き下ろされた「津軽海峡・冬景色」、演歌界では稀有なシンガー・ソングライター吉幾三の「雪國」等々、昭和歌謡史のウラ話が満載ですが、演歌界の話ばかりでなく、キャンディーズやピンクレディ、松田聖子や山口百恵など七十年代から八十年代のスーパーアイドルのウラ話なども盛りだくさんで幅広く楽しめます。
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空気が澄んで、空がきれいに見える季節になりました。中秋の名月は、一年の中で最も美しいとされてきました。今年の中秋の名月は今日、10月1日です。
竹取りの翁は、竹の中から小さな女の子を見つけ、かぐやひめと名付けて大切に育てました。美しく成長したかぐやひめに五人の若者が求婚しますが、かぐやひめは彼らに無理難題を出し断ります。それから三年後の十五夜に月からの迎えがやって来て、かぐや姫は月へと帰ってしまいます。日本最古の物語・竹取物語。『かぐやひめ』は、原作に忠実に、かつ子どもにわかりやすく描かれています。十五夜の今日、月を見上げるとかぐやひめがいるかもしれません。
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