空気が澄んで、空がきれいに見える季節になりました。中秋の名月は、一年の中で最も美しいとされてきました。今年の中秋の名月は今日、10月１日です。
竹取りの翁は、竹の中から小さな女の子を見つけ、かぐやひめと名付けて大切に育てました。美しく成長したかぐやひめに五人の若者が求婚しますが、かぐやひめは彼らに無理難題を出し断ります。それから三年後の十五夜に月からの迎えがやって来て、かぐや姫は月へと帰ってしまいます。日本最古の物語・竹取物語。『かぐやひめ』は、原作に忠実に、かつ子どもにわかりやすく描かれています。十五夜の今日、月を見上げるとかぐやひめがいるかもしれません。
いつの時代も、人は同じ月を見上げていた－。遥か昔から人々に愛され、多くの昔話や言い伝えに登場する月。『夜空と月の物語』では、世界中の月のある美しい風景と、世界各地・日本各地で伝わる月の物語を紹介しています。プロヴァンス地方のラベンダーを眺めているような満月や屈斜路湖の水面に映る月など、月に照らされた風景はどれも幻想的です。ベトナムに伝わる月の光が優しい理由や、スペインの月を怒らせてしまった男の話など感動する話から少し怖い話まで、同じ月でも国や地域が変わると様々な物語が生まれるのも月の持つ不思議な力なのかも。
普段意識していないと、わかりづらい月の様子を『月のかたち』で見ていきましょう。満月から次の満月までの約一か月間で月の形が変わっていく様子を丁寧に解説。まんまるな満月から数日経つと、影が出来てクレーターが見えるようになります。そして、月が細くなると同時に月が見える空が明るくなっていくのがわかります。満月の次の日、月齢１６の月の別名を「十六夜」、満月の約一週間後に見られる半月を「三日月」と呼ぶなど、月の別名も掲載。月を見上げるのがより楽しくなる一冊です。 ＭＣＬ編集部（知）
三冊堂472（2020/10/01）
