ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
我が子(特に女の子)を可愛がる様を「蝶よ花よ」と表すように、可憐なものの代名詞と言える蝶。では姿かたちがそっくりの“蛾”はどうでしょう…?最近は、一部の種類がSNSなどで人気になっていますが、あまり良いイメージを持っていない人もまだまだ多いのではないでしょうか。
『ぼくたち、わるもの?』は人間にきらわれがちな動物たちを集めた動物図鑑。不気味な生き物たちの絵が、薄暗がりからこちらを見つめてきます。さあ、どんな恐ろしい生態が書かれているのか…!と思いきや、「そんなの勘違い!」と場面は一転。かわいい姿と共に、彼らの本当の生態を教えてくれます。蝶にも負けない、蛾のイケてる所も紹介されていますよ。
- 詳細
- 作成者:MCL編集部
高校卒業後、東京のアパレルショップで働いていた都は、母の病気の看病のため、実家に戻り、地元のショッピングモールのアパレルショップで働き始める。都は、勤め先のショッピングモールで回転寿司屋に勤めていた貫一と出会い、付き合い始めるのだが…。仕事、家族、恋愛…将来のことを考え思い悩む30代。これでいいのだろうか。自分と他人を比較して、友人を妬ましく感じたり、将来のことを考え焦ったり。答えの出ないところを、ぐるぐると、ぐるぐると『自転しながら公転する』日々。悩みながら、泣きながら、一歩ずつ前に進もうとする都の行く末を祈り、一気に読み終えた一冊。
- 詳細
- 作成者:MCL編集部