ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
仏様の絵がうまく描けずに悩んでいた小僧の前に地蔵菩薩が現れ、「人間の心の暗く恐ろしい面を見ていないからだ」と、地獄に案内をしてくれます。死後には6つの世界があり、その一つ地獄道は苦しみの極限の世界です。生前の罪に応じて、生きたまま刻まれ茹でられ焼かれるなどの責め苦を受けます。しかし、この地獄はすべての人間の心の現実でもあるのだとか。『地獄極楽絵本』は、絵本というよりも読み物。極楽に行ける方法も教えてくれます。
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7月18日に他界した医師の日野原重明さんは、早くから予防医学の重要性を指摘するなど、日本の医学の発展に貢献。そればかりではなく、小学4年生の子どもたちに対して行う「いのちの授業」など、人間の生き方そのものについても説かれた。芥川賞受賞作家であり、住職でもある玄侑宗久との対談集『中途半端もありがたい』では、人が健康かどうかは、いかにその事態に適応できるかどうかで決まり、たとえ悲劇的な運命に遭遇しても、それを自分なりに適応できるようデザインするのが大事だと述べている。日野原さんのほか9名の著名人との対談、今は亡き木田元とのやり取りにも心惹かれる。
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