

ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。

人類が“いなくなった後”のお話色々。元から存在する生物の形態を比較的保ったまま人類的な生活を営む『ざわざわ森のがんこちゃん学校おばけのなぞ』。がんこちゃんが通うマンナカ小学校の地下室は「大むかし、このあたりにすんでいたという、にんげんたちが、ごみすてばにしていた」場所で、そこには「にんげんの、くびから下の、ほねのひょうほん」が置いてあります。『学校おばけのなぞ』はがんこちゃんたちがこの標本の頭を探し奮闘するお話です。NHKの道徳番組ということもあり、特に“人類が何をしてどう絶滅したのか”という所に焦点が当たることはあまりありませんが、時々登場する人類の遺構等にどきっとさせられます。しかしながら、がんこちゃんたちが力を合わせて物事を解決していく姿には勇気をもらうと同時に癒されます(人類は絶滅していますが)。
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千年以上前に書かれた源氏物語は、今現在でも読み継がれている大ベストセラー小説です。今年は、大河で紫式部が取り上げられていることもあり源氏物語を目にする機会も増えています。平安時代に書かれた源氏物語は、ロリコン・マザコン・ルッキズムなど現代の出来事として捉えるなら、受け入れられるだろうかと思われる描写が少なくありません。そんな源氏物語を現代の社会規範を交えて読み解き、現代的な訳をつけた『ミライの源氏物語』。源氏物語の現代語訳が夢という作者が訳す源氏物語を期待しています。
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