2024年 (令和6年)
11月24日(日)
午前10:00から
午後 6:00まで
ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
[BookShelf Image]:2983
―月の出の間もない夜更けである。暗さが弛ゆるんで、また宵が来たようなうら懐かしい気持ちをさせる。― 出だしからうっとりするは、岡本かの子の『夏の夜の夢』。帰りにベーカリーで食べたアイスクリームのバニラの香りで寝つけなくなった歳子は、夜の散歩で牧瀬という青年と出会い夢のような一夜を過ごす。アイスクリームの香りで眠れない、半人半獣のような健やかな感触が夜気に伝ってきたなど、メタファの宝石箱のような物語が耳で読む(聴く)オーディオブックで登場。家事の合間に、ベッドの傍らに、いつでも楽しむことができます。
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- 作成者:MCL編集部