ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
おしゃれ上手さんは、素敵に年を重ねている。まさに、著者の西村玲子さんはそんな人。年代を問わずに多くの方に支持されているのもうなずける。暮らし方や装い方をおしゃれなイラストで紹介するエッセイ集『玲子さんのシニアというエレガンス』。エレガントだけれども、気取らず、自然体。こんなふうに年を重ねていけたら…。憧れます。
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- 作成者:MCL編集部
平成6年、山形県天童市。注目の若手棋士同士による対局の会場に二人の刑事がやってきた。叩き上げの刑事・石破と、かってプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビ。二人は、若き天才棋士・壬生に、実業界から転身して特例でプロになったエリート棋士・上条が挑戦する注目の対局の解説会場に潜り込む。捜査しているのは、その約4か月前に埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された事件だが、死体と一緒に埋められていたのは名匠作の伝説の将棋駒だった。将棋の世界を舞台にした慟哭のミステリー『盤上の向日葵』。
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平田さんの、脚本、小説、文化論など多方面の著作の中から三冊をピックアップ。『十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が到達した最後の点と、 到達しえた極限とを 明らかにして、 上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本』は、タイトルのとおり、平田さんが16歳の時に自転車で巡った世界1周の旅を振り返った手記。それは単なる「旅行記」ではなく、その国の歴史や思想など、深いところまで辿る16歳とは思えない多角的な視点に驚かされ、平田さんの原風景はここにあるのではないかと思えます。旅立ちの時、友人のユウスケから貰った手紙にある「オレたちを、心の旅に同行させること!!」という言葉。本を開くと、平田さんの、その時に受けた感情に寄り添っているような気分になります。
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