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『一番大切なこと』
「やりがいはお客様の『おいしかったよ』を聞くことです」。
そう笑顔で話してくれた萩原滋さんが専務を務める『木川商店』は、国道38号線から幕別本町方面に入ってすぐのところにある。主に酒や米などの食料品を販売する傍ら、町からの依頼業務で警備清掃業も営んでいる。
店を入ってすぐ目につくのが棚に陳列されたお酒だ。スーパーでは見かけない銘柄が多い。「毎年、札幌の展示会に行って味見をして決めています。自分が美味しいと思ったものでないとお客様に奨められないですからね」。今、力を入れているお酒は幕別産100%にこだわった焼酎『インカのめざめ』。サツマイモでつくったものよりスッキリとしていて飲みやすく、リピーターも多いそうだ。
「うちがスーパーと対抗するには品物で勝負するしかないですね。安心安全で、スーパーにないものを置くようにしています」。米は川崎米穀で精米した米だけ。水産物は広尾の鏑木水産のものだけというこだわり様。そのこだわりへの信頼から、品物も値段も聞かずに「~を送っておいて」と客に頼まれたり、顔も知らない道外の客が訪れることもあるそうだ。「うちは信用取引でやっています」と、滋さんは笑う。
現在、試行錯誤の末に完成した幕別産100%にこだわった『幻の黄金ユリ根コロッケ』の販売を計画中だ。「売れれば地域の活性化にもつながる」と意気込む滋さんご夫妻。完成までの苦労話を聞いていると、つい食べたくなってしまった。
こだわりだけでは信頼はつかめない。滋さんご夫妻の商売に対する真摯な姿勢が客の心をがっちりとつかんでいる。お二人の気さくな人柄も魅力だ。
営業時間は9時から18時。日曜定休。一度足を運ばれてみてはいかがだろうか。きっと良品が見つかるはず。
取材先:木川商店
執筆者:清水俊明