2024年 (令和6年)
4月26日(金)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 司書が図書館でどういう仕事をしているか、イメージすることができるだろうか。司書といえば、カウンターで、本の貸出と返却された本を棚に戻す仕事だと思っている人も少なくないだろう。司書の仕事には、いわゆる“窓口業務”のほかにも、見えない仕事が実はたくさんある。『司書のお仕事』は、司書が普段どんな仕事をしているか、具体的にわかるように書かれている。ストーリー形式になっているので、とても読みやすく、図書館のことを何も知らない人でも興味を持ってもらえる内容となっている。文中には、図書館の用語もたくさん出てくるが、その一つひとつに対して、注釈や解説がきちんとついている。これから、図書館の仕事に就きたいと考えている人や、司書課程で勉強を始めたいと考えている人たちにとって、とても参考になる一冊。現役だけれども、まだまだ未熟者の私にとっても…。初心を忘れるべからず。

 都立図書館に38年勤めた経験をもとに、児童サービスの楽しさや豊かさを伝える『がんばれ!児童図書館員』。児童サービスに関わる人たちに向けた言葉から、すぐれた子どもの文学と知識の本の紹介、子どものレファレンスの対応や心構え、子どもの読書記録などが詳細に記されている。子どもと本に関わるものにとって、まさに教科書のような存在。「子どもにとっては、いまこそ、“不便な本”が必要だ」という著者の言葉を胸に、図書館員として、子どもたちにできることを今一度見直してみようと思う。
 2年前に母を亡くし、実家で父と2人暮らしをする遥は、『みさと町立図書館分館』に勤める。小さな町の図書館分館では、訪れる人たちの生活が直に感じられる。本の貸借トラブルやクレーム対処、家族の愚痴の聞き役に、世間話…。「図書館業務」は、ままならないことだらけ。物語は、そんな図書館分館を背景に、遥の周りや家族に起きる出来事を描く。小さな町の“図書館あるある”に、思わず顔をほころばせてしまう。なにげない毎日こそ、かけがえのないものなんだと感じる物語。 MCL編集部(ふ)

 
三冊堂377 (2018/12/06)