2024年 (令和6年)
4月26日(金)
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 かつて夫婦だった二人が、偶然、蔵王のドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で再会したことから、文通が始まる。そのやり取りは14通にも及び、互いの手紙は掌小説のように長く、文字に託した想いは、一緒に過ごしていた時よりも寄り添い、互いの深いところを見せているように思える。秋になると手に取りたくなる『錦繍』
 黄から赤へと、艶やかに姿を変える秋の代名詞の紅葉。日本に現存する最古の和歌集「万葉集」では、「もみじ」の歌が118首詠まれているが、その多くは「黄葉」であり、「紅葉」はわずかなのだとか。歌が群れをなす、というあまり見ない形式は、著者の見解を述べたもので、読者の創造的な読解によっては別途の見解もあり得るとする『「新編国歌大観」準拠版 万葉集(上下巻)』。上巻の冒頭にある、一、二のお願いやおことわりも含め、著者の並々ならぬ編集にかける熱意を感じる。
尾形光琳が創始した「光琳文様」は、元来、京菓子の意匠の中に用いられていたよう。琳派という切り口で京菓子を語る、『京菓子と琳派: 食べるアートの世界』。琳派の芸術を、菓子という身近な視点から楽しむことができる。 MCL編集部(そ)
 
三冊堂368 (2018/10/04)