2024年 (令和6年)
4月26日(金)
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 今日は、北方領土の日です。日本政府が1981(昭和56)年に制定しました。

 道東の北東沖にある国後・択捉・色丹各島と、歯舞諸島からなる北方領土は、第2次世界大戦のソ連軍侵攻時から今日に至るまで、ロシアの政治下におかれています。北方領土には終戦まで大勢の日本人が暮らしていましたが、サハリン(樺太)も同様でした。戦後、多くの日本人が引き揚げるなか、そのまま、四島やサハリンに留まらざるを得なかった人も大勢いました。30代という若い著者は、10年以上にわたり、サハリンに残留した日本人を訪ね当時の様子と今の生活を伺い、写真と記録に収めました。その静謐な眼差しは、残留された方の苦しみ・悲しみを声高に叫んだりはしません。人は、歴史に翻弄されながらも生き抜く力があるということ、そしてそれは、そう遠くない昔にあったことを、年齢を刻んだ残された方々の写真が、見るものに語りかけます。樺太生まれの私の父も、サハリンへの再訪を夢見ていました。特別な場所、故郷。故郷への想いを胸に抱きつつ生きる人々と、人間として出会い語らった、若手写真家渾身のドキュメント。 MCL編集部(規)

今日の一冊2236(2019/02/07)