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昭和30年から40年にかけて切手ブームが起こり、切手を収集することは「趣味の王様」とまで呼ばれました。「小さなキャンバスのなかに広がる豊かな芸術」と紹介されるように、それ専門のデザイナーによるデザインと、熟練された彫刻の技術を持つ匠の技によって作られる切手は、なるほど手元で楽しめる名画鑑賞なのかもしれません。浮世絵も仏像画も昆虫の絵も、どれも味わい深いです。東京オリンピックではオリジナルの切手が発行されることでしょう。『切手 NHK美の壷』
美しい風景が写されたハガキは、それを受け取る人へのちょっとした贈り物にもなります。『ここだけは行ってみたい 絵画のある風景』は、誰もが見たことのある名画とそれが描かれた美しい舞台が紹介されています。ムンクの「叫び」はオスロのフィヨルド、ダリの「記憶の固執」は妻ガラと住んでいたポルト・リガトが舞台なのだそう。偉人が愛した景色を垣間見れます。
37人の作家がひたすら玉子がいかに美味いかを語った「玉子アンソロジー」。かけるも良し、焼くも良し、茹でるも良しという三拍子に、玉子は最強の食材なのではないかという思いになります。雑誌「暮らしの手帖」編集長の松浦弥太郎は、落ち込んだときに塩や砂糖を目分量で入れ、卵焼きを作って食べると元気になるのだとか。確かに玉子の黄色と柔らかな食感は、ふわっと幸せにさせるかもしれません。やっぱり玉子は最強か。『玉子ふわふわ』 (た)
三冊堂124号 (2014/01/16)