2024年 (令和6年)
11月22日(金)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 雪の結晶の研究といえばこの方、中谷宇吉郎さんです。私たちが現在様々な雪の結晶の形を知ることができるのも、中谷さんのおかげといっても過言ではありません。また、「雪は資源である」という名言を残しており、雪は利活用できる資源であると考えていました。実際、現在雪を利用した冷房や野菜等の低温貯蔵などが行われ、私たちの身近なところに中谷さんの研究が役立っています。中谷宇吉郎さんは、1930(昭和5)年に北海道帝国大学(現・北海道大学)に赴任し、1962年に亡くなるまで雪や氷の研究を精力的に続けた実験物理学者ですが、研究の傍らに多くの評論やエッセイを残しています。このエッセイ集では、生涯の研究テーマである雪や氷に関することや、日常にひそむ科学の話題、科学的な考え方とは何か、など私たちの日常にも科学が身近であることをエッセイを通して伝えてくれています。『雪は天からの手紙』には、特に若い世代に向けたメッセージが込められており、未来を担う若い方々に読んでいただきたい一冊です。

 星野道夫さんの亡き後、星野さんが撮影してきたアラスカ、カナダの北極圏に生息する動物と、そこに住むエスキモーの人々を中心に構成された『星野道夫の仕事 第2巻』。星野さんが写し出す動物や人々からは、マイナス50度の厳しい環境のもと抗うことなく、自然に寄り添い生きている様子が見られます。まるで動物や人々の息遣いが聞こえ、命の輝きを見ているようでもあります。普段の私たちの暮らしからは厳しい自然を想像するに難しいところもありますが、だからこそ星野さんの写真を通して北極圏の世界を知ることができると思うのです。この写真集で星野さんが見た「いのち」を感じていただけたらと思います。
 図書館では冬になると問い合わせが増えるものがあります。それは、「動物の足跡がわかる本はありませんか?」というものです。雪が降ると、住宅地や畑、林の中などで動物が歩いた足跡がわかりやすいからだと思われます。『野生動物調査痕跡学図鑑』に掲載されているのは哺乳類だけではなく、鳥類、両生類、爬虫類なども、雪の上だけではなく土の上の足跡も調べることができます。フィールドワークにお役立ちの本です。 (と)

三冊堂122号 (2014/01/02)