2024年 (令和6年)
12月22日(日)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 野上弥生子、室生犀星など文豪が数々の作品をしたためた住まいを紹介した『文豪の家』。どの家も昔ながらの縁側がみられ、懐かしの日本を感じます。そこに佇む文豪たちが何を見て、何を感じ、それをどのように原稿に綴ったのか。そんなことに思いを馳せます。

  縁側から眺める月は文豪たちに何を語りかけたのか。アイヌの昔話では、月の黒斑は水汲みを嫌がった子どもが怒られて柄杓と桶を手に持っていくところで、罰を当てられて月にいる姿をいうそう。同じ日本でも、数々の空の神話が眠っていそうです。『世界の太陽と月と星の民話』
  月が照らす大地は、夕闇のなかその息を潜めた姿をまたたかせます。雪を照らす月明かりは神話の世界に導かれるかのような神秘さがあります。『雪 百年文庫25』は、雪にまつわる作品が収められています。今はほとんど見ることの無い薪ストーブの香りが鼻先をかすめます。(た)
三冊堂118号 (2013/12/05)