2024年 (令和6年)
12月28日(土)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 「本当に児童書?」と思ってしまうシリアスで重いストーリーのYA小説を三冊紹介します。現代を生きる子ども達の悩みや取り巻く環境を垣間見る事が出来るので、ぜひ大人の方にも読んでいただきたい作品です。
 厳しい父親からの教育虐待と、叔父の彼女「愛子さん」への想いに悩むリク。思ったことをそのまま口にしてしまう性格のせいで周囲の反感を買い、クラスの女子からいじめられている菜摘。心の闇を誰にも打ち明けずに日々を過ごしていた二人は、謎めいた転校生「ライト」と心を通わせたことをきっかけに、秘密の友達関係を始める。三人で過ごし始めてしばらく経ったある日、ライトは「新しい世界に行こう」と二人に持ちかけ……生きづらさを抱える三人の小学生の友情と苦悩を描いた『最高のともだち』

 学校ではいつも一緒に過ごしている親友同士の音羽と亜沙見。音羽は亜沙見を大切に思いながらも、過去のトラウマから彼女に対して必要以上に深入りすることを避けていた。ところが亜沙見は年の離れた姉の死を境に徐々に様子がおかしくなり始め、家を飛び出してしまう。自宅にやってきた亜沙見からある秘密を打ち明けられた音羽は、今度こそ友達として彼女を支えようとするが……『トリガー』という言葉は、「銃の引き金」の他に「きっかけ」という意味も持ちます。ふとしたきっかけで壊れそうになる脆い心の揺れを描いた、少女たちの痛切な物語。
 高1のヒロはある日、兄のミトさんに「杉森くんを殺すことにした」と電話する。ミトさんはヒロに「やりたいことを全部やった上で、殺そうと思った理由をきちんとまとめる」よう助言した。その助言に従うように、物語の合間にはヒロが杉森くんを殺したいと思い至った15の理由がひとつずつ明かされ、同時に「杉森くん」という存在の意外な正体も浮き彫りになっていく。ヒロの言う「杉森くんを殺す」とは、一体どういうことなのか。喪失と再生の物語『杉森くんを殺すには』。タイトルに騙されず、一度読んでいただきたい一冊です。 MCL編集部(小)

三冊堂660(2024/05/16)