2024年 (令和6年)
11月23日(土)
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 一月は、和風月名で「睦月」と呼ばれています。その由来は、正月に親類一同が集まり「睦び(親しくする)の月」の意なのだそうです。
 学生でも社会人でもない、夜の散歩が習慣の19歳のこと子、姉のおっとりとして頑固なそよちゃんと、妙ちきりんで優しいしま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな弟の律、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父。その六人家族の日常が淡々と綴られる『流しのしたの骨』。家族の仲睦まじい様子が静かに描かれています。

 仲良しのかえるのがまくんとかえるくん。二人のほのぼのとした仲睦まじい姿を描いた名作絵本、『ふたりはいっしょ』。ある朝、一日の予定がいっぱいながまくんは、予定を書いて、それを終えたら消していくことにしました。かえるくんを散歩に誘うために出かけたら、予定表が風で飛ばされて一日の予定が分からなってしまいます。その場に座り込んでしまうがまくんの側に、そっと一緒に座るかえるくん。日が暮れると、二人はそのままぐっすりと眠りました。二人で一緒に過ごす些細な日常は、ほほえましさを覚えます。
 友人関係が続くために必要なのは、「やさしさ」。友人の内側に共に立って感情を分かち合う、そのやさしさが友情を支えるそうです。友情をめぐる思索へのヒントを語った『大人の友情』。友人関係をつくるのは、人間の力を超えたものがはたらいていて、自分の意志や努力だけではどうにもならないという説には驚きです。この時勢だからこそ読み返したい一冊。 MCL編集部(そ)

三冊堂592(2023/01/26)