2024年 (令和6年)
7月18日(木)
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 灼熱の夏、23歳の母・蓮音は、なぜ幼いふたりをマンションに置き去りにしたのか。「殺人を犯したという実感がどうしても湧かない。あの子たちは大切な宝物だった」刑務所の中で蓮音は思う。風俗店を転々としていた娘がネグレクトの末に我が子を死なせたと聞き、蓮音の母、琴音は思う「育児放棄。そんなものは昔っから私の日常だったよ」。真に罪深いのは誰なのか?実際の事件をモデルに、虐げられた者たちの心理を深く掘り下げる小説『つみびと』

 ある日突然発症し、人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。不可解な病が蔓延する日本で、美晴は引きこもりの息子の部屋で、異形の「虫」に変わり果てた息子を見た。異形の姿はおしなべて気味が悪くグロテスクだ。病院で診断された場合、その時刻を以て患者は死亡したこととなる。診断を受け息子は死んだと夫はいう。しかしおぞましい生き物になっても我が子は我が子。美晴は割り切ることはできない。どんな姿になっても子どもを愛せるかを問う小説『人間に向いていない』

 日本国・東京。特A級市民の義務はその優れた遺伝子を後世に残すこと。その生涯を母という仕事に費やすことができ、末子の授乳期を引き延ばす処置もある。特A級の夫を持った美和子の五人目の子は、ホルモン事故で三カ月児の姿のまま巨大化していきます。ところが、家族は長年、住み慣れた家を政府の策略により追われ、毒ガスに汚染された危険な地域への移住を強制されます。政府の汚いやり方に怒り心頭に発した斎藤家の家長・総一郎は、日本国政府に対し、宣戦布告。家族の絆を守るために核弾頭を手に立ち上がる―。「国家主義カースト制」によって、超管理国家となった2075年の日本を描く小説『斎藤家の核弾頭』。 MCL編集部(紀)

 三冊堂431(2019/12/19)