2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 夏目漱石の「吾輩は猫である」にある”呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする”という一文。それが多くのひとに親しまれているのは、七・五・七・七・七の流れる調べがあるからなのだそうです。読売新聞のコラム「編集手帳」の6代目執筆者である著者が、文豪から六法全書まで「名文」を引用しながら言葉について語る『名文どろぼう』。人の心を打つ名文を書くには、名文を盗むところから始めると良いそうです。

 同じ字でもいろいろな読み方があったり、形にも意味がある漢字。主人公のすうくんは、お土産でもらった”三猿”を見て、口をおさえているサルは、しゃべる以外に、フーとものを冷ますことも、その反対にハーと温めることも、くわえたりすることもできないと思います。児童書ながらその奥深さに驚かされる『漢字だいぼうけん』
 どうしても、ことばにならないことば。思いだそうとしても、思いだせない、しかし、もう一ど、確かめてみたいことば。ことばは、替えがたいものなのだそうです。この世界の、何気ないうつくしさを言葉にのせた『世界はうつくしいと』。今は亡き、詩人が紡ぐ美しいことばたち。 MCL編集部(そ)