2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 仏様の絵がうまく描けずに悩んでいた小僧の前に地蔵菩薩が現れ、「人間の心の暗く恐ろしい面を見ていないからだ」と、地獄に案内をしてくれます。死後には6つの世界があり、その一つ地獄道は苦しみの極限の世界です。生前の罪に応じて、生きたまま刻まれ茹でられ焼かれるなどの責め苦を受けます。しかし、この地獄はすべての人間の心の現実でもあるのだとか。『地獄極楽絵本』は、絵本というよりも読み物。極楽に行ける方法も教えてくれます。

 日本人が生み出してきた名画の数々。その特徴と魅力を初心者にもわかりやすく紹介するのが『「日本絵画」の見かた』。飛鳥~室町時代の宗教画として紹介される、阿弥陀如来が極楽浄土へのお迎えに来られる姿を描く「阿弥陀二十五菩薩」は、降臨する阿弥陀如来のスピード感が雲の動きで表現されています。罪人が落ちる地獄の恐怖を冷徹に描く、奈良~江戸時代の絵巻物「地獄草紙」は、その罪人に罰を与える姿がユーモラスに描かれています。

 ノーベル平和賞受賞者であり、チベット仏教の最高指導者でもあるダライ・ラマが2013年から翌年にかけてドイツを訪問した際の子供たちと対話を再現したのが『ダライ・ラマ子どもと語る』。仏教の教えは「他者を助けなさい」「もし、それができないなら、少なくとも害を与えてはいけない」の2つの言葉にまとめることができるそうです。自身の生い立ちを語り、「なぜ人が飢えて死ぬのを防げないの?」「死ぬことは怖くないのか?」など、平和と正義・宗教などの質問に真摯に答えます。 MCL編集部(紀)

三冊堂309 (2017/08/17)