2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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  7月18日に他界した医師の日野原重明さんは、早くから予防医学の重要性を指摘するなど、日本の医学の発展に貢献。そればかりではなく、小学4年生の子どもたちに対して行う「いのちの授業」など、人間の生き方そのものについても説かれた。芥川賞受賞作家であり、住職でもある玄侑宗久との対談集『中途半端もありがたい』では、人が健康かどうかは、いかにその事態に適応できるかどうかで決まり、たとえ悲劇的な運命に遭遇しても、それを自分なりに適応できるようデザインするのが大事だと述べている。日野原さんのほか9名の著名人との対談、今は亡き木田元とのやり取りにも心惹かれる。

  生命が生命であるためには、外部から栄養など生存に必要な分子、物質を取り込みことでエネルギーの生産に使うという代謝活動が必須。が、その一方、代謝活動の中でできた廃棄物を外へ排出しなくてはならない。例えば、ストレスなどが原因によって壊れてしまったタンパク質は、廃棄処分しなければ神経変性疾患などを引き起こしてしまう。「閉じて」いなければ生命は維持できず、かと言って「閉じて」ばかりいては、同じく生命活動はできないのだそう。外部に対して「閉じつつ、開いて」いる生命を、「膜(細胞)」という存在から見て解説する『生命の内と外』
 水素やヘリウムなどの燃料を燃やし続け、重くて燃えない鉄ができると、星の寿命はあとわずか。さまざまな元素が詰まった星が急激に縮むと、最後に大爆発、超新星爆発を起こして死を迎える。宇宙に散らばった星のかけらは、いつか、再び重力により引き寄せられ星になる。地球は、超新星爆発で散らばった星のかけらが集まってできたもの。つまり、私たち人間も遠い昔の星のかけらからできている。宇宙を考えることは、いのちそのものを考えることだと教えてくれる科学絵本『宇宙のかけら』。 MCL編集部(そ)

三冊堂308 (2017/08/10)