2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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6月初めという半端な季節に転校してきた中学1年生のミチル。緑色をした不気味な「みどりおとこ」から、呼ばれたら必ず参加しなければいけない「夏流城(かなしろ)」での林間学校への招待状を受け取る。ミチルは5人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた城で共同生活を開始する。城には奇妙なルールがあり、①鐘が一度鳴ったら、食堂に集合する②三度鳴ったら、お地蔵様にお参りする③水路に花が流れたら色と数を報告する。迎えが来るまで城からは出られない、長く奇妙な「夏」が始まる『七月に流れる花』

 22歳でありながら早老病という老婆の姿になり、少女の頃の最も美しい思い出に満ちた南の島で人生最後の夏を静かに過ごそうとする夏希。偶然にも初恋の洋人と再会してしまう。胸には夏希がペアで作ったイルカのペンダントが…。しかし、洋人の隣には、明るい笑顔を浮かべる美貌の女性がいる。『夏の魔法』は、彼女たちに何をもたらすのか。緑濃い真夏の島でゆっくりと進行する、哀しい願いの物語。
 中年過ぎの男女が織りなす恋模様…。『魅惑の年齢』は、甘い切なさ、たぎる想い、男女の哀歓を描いた短編9編。「夏の思い出」では、小学校卒業後52年、初めて開く同期会に出席した辰野信男と中山(旧姓:三浦)弘子。旧制中学、K高女時に、別々のグループで琵琶湖でキャンプした当時に出会った思い出話から、お互いが好き同士だったことを告白。当時の気持ちが蘇り、若くて愛らしく映る弘子の姿と、少年のように全身が火照る辰野は一つになる。 MCL編集部(吾)

三冊堂307 (2017/08/03)