2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 「Uターン現象」=地方から都市へ移住した者が再び地方の生まれ故郷に戻る現象―。北海道の中央部にあるかつての炭鉱町。財政破綻し、寂れてしまった過疎の町で、『向田理髪店』を営む向田康彦は、札幌の就職先を辞め、理髪店を継ぐと言い出した息子に困惑気味。後継ぎ問題、若者の流出、町おこし、高齢化、嫁取り問題・・・。過疎の町が抱える問題の数々に、身につまされる思いを感じる。

 「買い物弱者」=地域の商店街の衰退や路線バスの廃止によって、生活必需品の購入が困難になっている人―。大学を中退して、高齢化と過疎化がすすむ田舎町ではじめた移動販売の『たまちゃんのおつかい便』。大好きなおばあちゃんや、故郷の町のために奮闘する20歳のたまちゃんを応援しながらも、全国あちこちで増え続けている買い物弱者の問題について考えさせられる。この物語は、集落の買い物弱者のためにと、移動販売をはじめた若い女性がモデルとなっている。
 「限界集落」=過疎化などで人口の50%が、65歳以上の高齢者で、経済的・社会的な共同生活の維持が困難になっている集落―。舞台は、山深く囲まれた人口50人ほどの小さな小さな集落「止村」。起業するために、IT企業を辞めた多岐川優。休息のためにと、亡き祖父の家を訪れる。しかし、この「止村」は消滅寸前の集落で・・・。優は、「止村」再建に向けて、立ち上がる。それぞれの持てる力を発揮して、「止村」の立て直しのために、住民一人ひとりが、力を尽くす『限界集落株式会社』。 MCL編集部(ふ)

三冊堂303 (2017/07/06)