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先代(祖母)の後を継ぎ、鎌倉で代書屋『ツバキ文具店』を営む雨宮鳩子さん(鳩子さんだからポッポさん)。ポッポさんの元には、今日も風変わりな代筆の依頼が舞い込みます。お悔やみ状や、離婚の報告、天国からのお手紙、ラブレターに、絶縁状・・・。依頼主の心情に添って、精魂込めて書き上げる代筆のお手紙。ディテール細かく描写された便箋やインクなどの文具にも魅了されます。
お困りの節はお電話くださいー。東京のはずれの都南西部に位置する街「まほろ市」で、ひっそりと『まほろ駅前多田便利軒』を営む多田啓介。ある日突然、多田の元に、高校の同級生・行天春彦が転がりこんでくる。掃除に、ペット預かり、塾の送迎・・・。はたして、今日はどんな依頼が舞い込むのだろうか。なんとも奇妙で、訝し気な男二人の便利屋物語。
片づけ屋・大庭十萬里に依頼のあった4人の片づけられない者たちの物語『あなたの人生、片づけます』。片づけられないのに、物を買いこんでしまう独身OLや、妻に先立たれた後の家事を全て娘に頼る木魚職人、夫の死後、遺された広大な敷地にある家屋に一人で住む七十代女性に、息子が事故死した後、日々無気力に過ごす母親・・・。片づけられないのには、それぞれ心に抱える問題があったから―。片づけられない原因を探り、手助けをしていく十萬里さん。片づけをすることで、少しずつ心の整理ができていく登場人物たちに、スッキリと晴れやかな気持ちになる。片づけをする=己を見つめ直すということだろうか。読み終えた後、わが家の増えすぎた物たちを思い返す。心の問題!?どうやら、私も見つめ直す必要が大いにありそうだ。 MCL編集部(ふ)
三冊堂286 (2017/03/09)