コミュニティデザイナーとは、住民参加型のコミュニティをデザインする仕事、つまりは『ふるさとを元気にする仕事』である。緑豊かな風景に、郷土料理、地域のお祭り、ご近所づきあいなど、日本のふるさとには、今なお有形無形の財産がたくさん残されている。中山間離島地域では、過疎化が急速に進み、日本の人口も減少し、少子高齢化社会を迎えた日本。著者は、人口が減ること自体が問題ではなく、減り方の中で生じる課題をどうやって見つけ、どう乗り越えていくかが私達が一番解決しなければいけない問題であると言う。本書の中には、北海道の事例もあり、空知管内にある沼田町での取り組みが紹介されている。
全国各地でふるさとを活性化させる施策がはじまっている。前述の著者・山崎亮の取り組みも紹介されている『地域ブランドクリエイターズファイル』。地域をより魅力的にするため活動する100人のクリエイターの事例を掲載。冒頭の今治タオルをはじめ、その人気が社会現象ともなった熊本県のゆるキャラ「くまモン」まで。どの事例からも一流のクリエイターたちの“ホンキ”が、伝わってくる。ふるさとを盛り上げるためにはこの“ホンキ”が必要だと感じる。本書では、十勝の地域活性に精力的に携わり、食と観光をからめた事業を展開する「プロットアジアアンドパシフィック」の事例も掲載されている。
高度経済成長期以降、日本社会は大きく変化した。それ以前は、たとえ農家ではなくても、庭に自給するための野菜が植えられ、沢庵などの漬物は大体自分の家で漬けていた。そんな生活風景が、全国至るところで見られる社会であった。ところが今、農山村では、過疎化と高齢化が進んだことで、農業を営む人が激減。その一方で、飽食の時代などと言われ、日本人は贅沢な食生活を送るようになった。こんな時代だからこそ、今一度農業や、農村、家族、地域について考える必要がある。本書では、具体的な例を挙げ、『農村(ムラ)の幸せ、都会(マチ)の幸せ』についてみつめ直す。 MCL編集部(ふ)
三冊堂237 (2016/03/31)