2024年 (令和6年)
5月11日(土)
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午後 6:00まで

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 1月24日から30日は全国学校給食週間です。さまざまな給食事情を垣間見てみました。
  毎日違うメニューで子ども用ではない「本物」の味、旬にこだわり、調味料も厳選した給食。そんな給食を食べているのは北海道置戸町の子どもたちです。『日本一の給食』は、文字通り「日本一」と呼ばれる置戸町の学校給食を作り上げた管理栄養士・佐々木十美さんの「食を通じて伝えたい思い」をまとめた1冊です。佐々木さんが日頃考えてきたことや、おいしい給食を作るための秘密を語ります。3週間寝かせるルーを使った給食名物のカレーや、その日に食べれるドライカレーのレシピも公開しています。

 「離乳食なんて作る必要はない。断乳は不要。緑のピーマンは食べなくていい。血圧や塩分量の数字信仰のワナにはまるな」などなど、小児科医と管理栄養士の2人の著者が子育て、食事の誤解と偏見を熱く語りあうのが『健康のためなら死んでもいいのか?』です。離乳、ダイエット、偏食、肥満、給食などの問題の本質をあぶりだします。今の世の中で、考えられているゆえにかえってひどいものになっているものの第1位が学校給食なのだとか。実際のメニュー例も紹介されています。みそラーメンとあんドーナツの組み合わせや、ポテトチップス・清涼飲料水が出ることもあったそうです。これでも学校給食実施基準はクリアできるらしい・・・。 
 世界を100人の村に縮めてたべもののあり方を見てみるのが、『世界がもし100人の村だったら3(たべもの編)』です。「100人のうち12人は戦争や干ばつや洪水や砂漠化のためにいつもお腹を空かせている」そうです。後半はフォト・ストーリー「少女ランマヤの給食ものがたり」と著者の取材ノートです。学校で給食を出して就学率を上げ、子どもたちの栄養不足を改善する、WFP国際世界食糧計画の学校給食プログラムを受けるようになった、ネパールの山奥の貧しい村の14歳の少女ランマヤとその家族の生活を紹介しています。昼食を食べたことがなかった少女が、学校に通い給食を食べるようになって前より元気になりました。彼女が語る将来の夢が健気です。 MCL編集部(紀)

三冊堂228号 (2016/1/28)