2024年 (令和6年)
11月23日(土)
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 まずしい靴屋さんが1足分の革を明日、縫いあわせようと思って眠りにつくと、なぜか次の朝に靴はできあがっていました。見事な出来栄えのその靴は、とても高く売れました。それからも革を裁(た)って眠りにつくと朝には靴ができている、ということが続きました。クリスマスが近づいた日、誰が靴を縫ってくれているのか部屋に灯をつけて見張ってみるとそこに現われたのは・・・。『こびとのくつや』は、可愛らしく、読むとあたたかい気持ちになれるグリム童話の一話です。

 少年・ネロは、貧しくも賢明におじいさんと牛乳運びの仕事をしていました。素直で働き者のネロの夢は、画家になることで、いつかアントワープの大聖堂にあるルーベンスの絵を見てみたいと思っていました。ある日、主人のひどい扱いで死にかけていた犬・パトラッシュを助け、深い友情で結ばれます。絵のコンクールに向けて絵の練習に励むネロでしたが、醜い大人のひどい仕打ちで生活はどんどんひどくなり、さらに、おじいさんも亡くなってしまいます。クリスマスイブの日、ネロとパトラッシュは全てを失ってしまい、ボロボロになった体で向かった先は・・・。『フランダースの犬』は、誰もが涙するラストが印象的なお話です。 
 子どもの頃、クリスマスが近づくと誰もが「サンタクロースっているの?」と考えたのでは。この質問を8歳の女の子がニューヨーク・サンという新聞社に送ったところ、新聞社は返答を新聞の社説に載せました。その社説を本にまとめたものが『サンタクロースっているんでしょうか?』です。「目には見えなくてもサンタクロースは確かにいるんだよ。この世界で一番たしかなこと、それは目にみえないものですから。」と教えてくれます。そして、「1千年のちまでも、百万年のちまでも、サンタクロースは、子どもたちの心を、いまとかわらず、よろこばせてくれることでしょう。」と締めくくります。この回答がされてから100年のちの今も、サンタクロースはみんなの心の中にいます。そしてこれからもずっと・・・。 MCL編集部(ま)

三冊堂223号 (2015/12/24)