2024年 (令和6年)
5月10日(金)
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午後 6:00まで

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 逃げて、逃げて、逃げ延びたら、私はあなたの母になれるだろうか?希和子は不倫相手の子を自宅から誘拐してしまいます。住んでいたアパートをあわてて解約し、赤ん坊と2人住むところを探し、世間から隠れて転々とします。次第に親子らしくなっていく2人。しかし逃げとおせることはありませんでした…。『八日目の蝉』は、誘拐犯と誘拐犯に育てられた子、2人の女の心に分け入ることで家族というものの意味を探ります。

 わが子を殺した犯人が目の前にいたら、親は何をしようとするのだろうか?「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 わが子を亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である2人の少年を自ら裁いた…。少年たちの給食にあるものを混ぜたという。そして様々な立場の人物が語る言葉が、事件の真相を解き明かします。子どものために動く母、母の愛を求める子ども。『告白』は、語りで構成される読みやすさにひかれて読み進み、やがて驚愕の結末にたどりつくミステリーです。
 彼らの母親たちはなぜ、わが子を元夫に預けたままでいられるのだろうか?「楽園の話を、聞いてくれないか」 そう言って、父さんは死んでしまった。山、紫、水、明と名づけられた、それぞれ母親が違う4人の兄妹と、母親について書かれた手紙を残して…。その時、一番年下の明はまだ小学4年生。兄妹は、父親の葬儀の後、夏休みの間にそれぞれの母親に会いに行くことにします。『ナモナキラクエン』は、暖かくて切ない気持ちになる、ひとつの家族の物語です。 MCL編集部(紀)

三冊堂222号 (2015/12/17)