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美しい紅葉に必要な条件は、温度、光、湿度の主に3つなのだそうです。毎年各地の秋を巡り歩き、筆者自身がすべての写真を撮影した『紅葉ハンドブック』は、どの木が何色に紅葉するか、とてもわかりやすく解説してくれます。また、赤、橙、黄の色別になっているため、葉一枚から名前が調べられるようになっています。一般に最低気温が8℃以下になると、一気に紅葉が進み、昼に晴れて、気温が上がり、夜に急に冷え込むとよく色づくのだとか。秋晴れの気持ちのよい日に、このハンドブック片手に紅葉を見に出かけるのも楽しそうですね。
日本各地に数万とある城の中から、美しい城55城を厳選した『一度は行きたい日本の美城』。季節の移り変わりとともに、さまざまな表情を見せる日本の城ですが、上田城、犬山城、彦根城など紅葉が見どころの城も数多くあります。四季の表情豊かな美城の写真をながめていると、実際に足を運んでみたくなります。
二つ以上の単語を組み合わせただけで、それ以上の意味にふくらんだり、違った世界になったりする成句や複合語は、恋に似ていると言います。「恋色」もまた、恋と色の造語。二つの掛け合わせによって、新たな世界へと広がっていく予感がしてきます。日本語の達人である著者が探しだした珠玉の『恋色の日本語』たち。その中に収められている「心の紅葉」では、次第に濃く、深くなっていく心の紅と、透きとおるような寂しさとを対比させ、秋の風情を美しく恋色に染め上げています。恋の場面によって、どんな色にも変化する恋色。さて、この秋はどんな「恋色」に染め上がるのでしょうか。みなさまにとって、実り多き秋となりますように・・・。 MCL編集部(ふ)
三冊堂215号 (2015/10/29)