2024年 (令和6年)
7月17日(水)
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午後 6:00まで

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 天気の悪い日、ルイーズは傘を持って、黄色いカッパを着て家を出ました。怖い犬や、お化け屋敷のようなボロ家、怪物や幽霊が住んでいそうなゴミ捨て場を通って向かったのは図書館。さあ、『ほんをひらいて』…「ほら、ひろいせかいがみえたでしょう。おはなしをよめば、つらいいこともわすれる。だって、ほんには、ふしぎなことや、素晴らしいことがいっぱいつまっているんだもの」。帰り道、ルイーズは笑顔になって道行く人にも犬にもやさしいまなざしを向けていました。本をめくると、色々な世界に行くことができます。幕別町図書館は図書館を舞台に、本を読むことによって生まれる可能性や、本のすばらしさを伝えていきます。

 「単なる無料貸本屋としてではなく、住民たちの課題の解決を支援する新しい形の図書館を応援し、増やしていくことで、もっと元気にできないか」。そんな志を持って立ち上がった「図書館海援隊」の発足の経緯からこれまでの活動を振り返り、今後の図書館のあるべき姿について問題提起する『困ったときには図書館へ』。自分たちの本来の業務を改めて考え直した、図書館員(司書)の挑戦の物語です。幕別町図書館は情報を編集・発信して、利用者の皆さんとともに、図書館と本、人がつながる読書コミュニティを目指します。
 2019年の架空日本。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。この執行が妨害される際には、武力制圧も行われるという行き過ぎた内容であり、情報が制限され自由が侵されつつあるなか、弾圧に対抗した存在が図書館だった。図書館法に則る公共図書館は、「図書館の自由に関する宣言」を元に「図書館の自由法」を制定。その役割と本の自由を守るべく、やがて武装した図書隊による防衛制度を確立する。以降、図書隊と良化特務機関との永きに渡る抗争に突入していく『図書館戦争』。幕別町図書館は既成概念と戦います。 MCL編集部(敬昌)

三冊堂214号 (2015/10/22)