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食欲の秋、読書の秋。秋に囚われなくとも、食欲と読書は似た者同士かも知れない。手に取って、食さなければ、目を通してみなければ、その味はわからない。さて、お腹が空いてきそうな三品を揃えてみました。食べてみてください。
三島由紀夫、手塚治虫、開高健、向田邦子など31人の作家が日頃食したお菓子やフルーツを通じて、その作家の人柄を紹介した『作家のおやつ』。甘さ、辛さの中に作家の隠された素顔が現れる、おやつアルバムです。作家たちが書斎でどんなおやつをつまみながら執筆していたのかを、あれこれと想像して、興味がわいてきます。意外と、作品と結びついたりして・・・。
鋭い風刺と軽妙な筆致でユーモア小説作家として人気を博した著者は、同時に“グウルマン”としても一級の人であった。『わが食いしん坊』は、著者が幼少時代から親しんできた懐かしい味の思い出、渡仏時代に名店めぐりでつちかった食への執念、酒飲みの作法から四季折々の食材までを、独特の視点から語り尽くす。にわかグル メにはない、真の食通の姿が見えてきます。
1983年暮しの手帖社から発売された「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」の世界を、現在の石井好子の語りと料理のレシピで再現した『巴里の空の下オムレツのにおいは流れるレシピ版』。オムレツをはじめとする卵料理、サラダ、それに肉や魚の料理、煮込み料理、軽食など、どれもそんなに凝ったものではない、西欧の家庭料理の数々。オムレツこぼれ話も味があります。 MCL編集部(敬昌)
三冊堂212号 (2015/10/08)