2024年 (令和6年)
5月20日(月)
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 8月の図書館夏まつりでは、ネコをテーマにした「にゃんとも・かんとも・すごろく」を開催。その際、「ネコ派かイヌ派か」という話題になったのは言うまでもありません。
 北の本箱にたくさんの本をプレゼントしてくださっている福原義春さん(資生堂名誉会長)は、犬と猫の生態を見るのが楽しみなのも然ることながら、犬派だ・猫派だと論じ合っている人を観察するのことに面白みを見出す「人派」なのだとか。スーパーマーケットの「犬、あげます」というお知らせを見て犬をもらいに行った件など、福原さんの人となりにそっと触れたように感じる25のエッセイ集『猫と小石とディアギレフ』。

 稲垣足穂が片時もはなさないものは、猫と聖書と広辞苑。三島由紀夫の書斎机の引き出しには、いつも煮干しが入っていて、藤田嗣治は画室にモデルがいないと猫を描いていた--。作家とその傍らに寄り添う愛猫の写真・エピソードを収めた『作家の猫』。室生犀星と愛猫のジイノが、一緒に火鉢に手をかけ暖をとる姿が微笑ましく印象的です。作家の家族によるエッセイや猫にまつわる小説なども掲載されていて、猫好きはもちろん、そうではない人も楽しめる贅沢な一冊。
 俳人・小林一茶が動物を題材にした俳句では猫が最も多く、春の季語「猫の恋」「猫の子」以外にも季節を問わず登場しているそうです。長野県の一茶記念館が、一茶の生誕250年を記念し俳句を公募。その中から選んだ329点の作品を、可愛らしい猫の写真とともに紹介した『猫と一茶』。猫のさまざまな表情に、にゃんとも癒されます。 MCL編集部 (そ)

三冊堂207号 (2015/09/03)