2024年 (令和6年)
7月17日(水)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 1970年代後半、高校生の僕と年上の女性ばかりが集う小さな喫茶店「ぶろっく」で繰り広げられた、「未来」という言葉が素直に信じられた時代の物語『ダウンタウン』。喫茶店に通いだして、いろんなことを経験する。それまで会うこともなかったたくさんの人に会うようになって、その人たちの考えや生き方を感じるようになって、自分で考えるときにもいろんなことを思えるようになる。大人になるってことを、この喫茶店で学んだ。

 引きこもっている友人の息子に田口ランディが宛てた10通の手紙。なぜ学校に行かなければならないのか?大人になるってどういうことか?生きることの意味とは?…など、根源的な問いがうかびあがる。『鳥はみずからの力だけでは飛べない』は、様々な悩みを抱えながら生きるティーンエイジャーと、その親に贈る、生への希望の火を灯すメッセージ。
 高校3年生の達大は医学部進学を目指し、サッカー部引退後は受験勉強に励む。そんなある日、彼は級友の喫煙を学校側に密告するが後悔し、死ぬことを覚悟で証拠となるタバコを飲み込む。その行為は達大自身や周りの日常を大きく変えてゆくことになる。恋人や身寄りのない老人との交流を通じて、本当の「大人」になるための、挫折や心の揺れ、そして新たな出発を描く。『ぼくたちは大人になる』ため、しくじるべきときにしくじれるかどうか。 MCL編集部(敬昌)

三冊堂200号 (2015/07/16)