2024年 (令和6年)
5月1日(水)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 本を読みながら線を引く行為は、自分の血となり肉となり、自分を支える言葉に出合うために読むという意識づけ。松田松陰や夏目漱石、幸田露伴らの世代は幼い頃から論語などを素読し、暗唱することで自分自身の身体に刻み込んでいきました。そういった「心が強い」人は、心の骨格が精神で成り立っていて、自分に蓄えた言葉がぶつかった「壁」を突破するための助けとなったそうです。「心が強い」人になるためのコトバを見つける入り口、『壁を突破する言葉70』。

 「なぜ、なに、なんだろう」と考えることは、ゆたかに働き、ていねいに生きるための極意なのだとか。雑誌「暮らしの手帖」の編集長・松浦弥太郎の『考え方のコツ』は、日々質を高く、楽しく、無理をせず続けられる自分なりのフォームを作るなどの「考え方のコツ」について説いた、いわば仕事と生活の指南書。「知ること」から「考えること」にステップアップするために読みたい一冊。
 いまを生き抜くために身につけたい「ズルさ」について語った『「ズルさ」のすすめ』。ロジックとレトリックを駆使するという章では、相手に対していきなり「お前、ウソをつくなよ」というとケンカになるが、「お互い正直にやろうぜ」と言えば角が立たないなどの例をふまえながら、コミュニケーションにおけるロジックとレトリックの重要性を説明しています。表現法や修辞法は、同じ物事を相手に伝えるのに、より相手が受け入れやすくする調味料のようなものだとか。自分の中に蓄えるコトバ、放つコトバ、どちらも自分なりのものを見つけたいものですね。

三冊堂184号 (2015/03/26)