2024年 (令和6年)
4月28日(日)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 『パパの電話を待ちながら』は、出張が続くパパがなかなか会えない娘に、毎晩電話でお話を聞かせる、という設定です。電話で話すので、とても短い56話の短編集。そのどれもが不思議にあふれていて、突拍子もなくて、意味が分からなかったりするのですが、言葉遊びや平和に対する祈りのようなものを感じます。特に「ひとりだけど七人」では、ひとりの男の子と知り合いますが、ひとりの男の子は七人。大人になっても戦争が出来ない。だって、七人はみんな、ひとりの人間だから。と語っています。

 30代の独身キャリアウーマンで新聞社の広告営業エグゼクティブとして活躍するローラがある週末、マンハッタンの中でも一番人混みの多い劇場街で物乞いする少年モーリスに声をかけられる。一度は無視して通り過ぎるが、なぜか彼女は途中で引き返し、小銭を渡すかわりにその子をマクドナルドへ連れて行く。まるで接点のないはずの二人が『見えない糸』で出会い、二人の過去が明らかになるなるにつれ、その出会いがお互いの人生を変え、魂を救った感動の実話です。
 イスラム国に殺害された後藤健二さん。アフリカの西部に位置するシエラレオネはダイヤモンドの産地として知られるが、その利益は戦争の費用となり、武器に換えられた。そして、その銃を、子どもにも握らせた。『ダイヤモンドより平和がほしい』は 「やぶの殺し屋」と呼ばれていた元・子ども兵士を取材。消えない苦しみの中で毎日神に祈り、新しい生活にようやく希望を見い出し、自らの夢を話します。あくまでも、主観を入れず、ただそこにある事実を追い求めた一冊です。 MCL編集部 (敬昌)

三冊堂178号 (2015/02/12)